夏の風
秋葉竹



星、滲む
つまり涙が出る公園
パンダのシーソー、月に吠えそう


こころ切り
切って尖らせ切っ先を
視線に変えて世界を射たい


絶望の
あとにそれでも諦めず
血を流しているまっすぐな夢


君の目が
甘くやさしく震えてる、
気がついたから泣きたくなるんだ


まよなかに
メロンソーダが欲しくなる
べつに疾しいことじゃないよね


凍らせない、
ワインをそそぐかのように
ゆっくりやさしく気持ちを注ぐね


夏の風。
海に、港に、地に、街に、
自由を強めに吹き降ろす朝、


揺れる木が
なにかを告げているような
疾風怒濤の前触れとして


老いて夏。
依存している悲しみが
抗う気持ちをすこし残して、


謎だけが
世界を守っているけれど
この夏の謎、解いてみたいな








短歌 夏の風 Copyright 秋葉竹 2024-08-03 07:03:42
notebook Home 戻る