たそがれの色
秋葉竹



港に オレンジ
オーシャン そまる

地下の 喫茶に
ジャズ 流れ

みなとのみえる 丘へゆく
ただ白い道 杖をつきゆく

冷えた グラスが
鳴く ほどの

しめった 店には
レコードの 音(ね)が

懐かし すぎて
あとにした 店

杖をつき ゆく
空には 三日月

胸に 刺さった
月とか 潮風

みなとのみえる 丘の上から
みる空 海は 静かなオレンジ

オーシャン そまる
古びた こころも

夜も しじまに 
向かう 夢路に

ガラス 細工の
船を 模す

繊細 みやびな
《レッド オーシャン》

海なら 何処へも
ゆける 気がする

遠い 目を閉じ
微笑み 浮かべ

君の 手を取り
片手に 杖で

生きる 希みを
しっかり 握った

夏の 終わりの
夜空に 流れる

そんなことより
だいすきな君

もう 汚れては
いけない 喉を

震わせ 軋ませ
歌 うたう

その タイトルが
トッポすぎて さ

《クライ ベイビー
レッド オーシャン》









自由詩 たそがれの色 Copyright 秋葉竹 2024-08-01 22:45:08
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