パラダイムパラダイス
塔野夏子

パラダイムが壊れてゆく
      零れてゆく
もうそんなに時間は残っていない
砂時計の砂の中に
どうやってか紛れ込んだ星屑が
時折 きらりと光るのに
何度 気づいてきただろう
何度 気づいてゆけるだろう

けれど僕の記憶が
君の予感に影を落としてしまう前に
此処を立ち去らねばならないだろう
せめて静かに微笑んで

パラダイスが壊れてゆく
      零れてゆく
君の砂時計の砂に
どうかたくさんの星屑が
ひそんでいますように

パラダイムロスト
パラダイスロスト
もうそんなに残っていない時間の中で
僕の憂愁と君の憧憬が
かすかに互いを反射する



自由詩 パラダイムパラダイス Copyright 塔野夏子 2024-07-31 11:28:36
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