みもふたもない結論。
秋葉竹
みもふたもない結論。
戦わない戦わない戦うことは怖いから。
先日奈良の興福寺で阿修羅像を見た。
生きる事は戦いだと。
その微笑みは語っているようだった。
それはたしかに正しいけれど、僕はそうじゃない。
あんな夜やどんな夜を過ごしても、
なのに僕は人を傷つけてしまった。
傷つけて生きて来た過去があるから、
その傷を癒してあげられなかった。
過去があるから、きっともう戦いたくないのだ。
戦わない戦わない戦うことは怖いから。
初めて会った日は戦っていただろう?
それから何度も何度も戦っただろう?
野原に寝転び星を見あげて、語り合った夜。
まるで虹色のシャワーが心にかかっている、
そんな幻影の恍惚を体験した。
それ以来、
僕は君を傷つけないように
それだけを願って生きてきたのに、
ある日、
君を傷つけるひどい言葉を云った。
とんでもない、ひどい言葉で、
君を突き刺してしまった。
おそらく二度と君のような人と出会う事は
できないのだとわかった時、
僕はもう二度と戦わないと決めたのだ。
戦わない戦わない戦うことは怖いから。
自由詩
みもふたもない結論。
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秋葉竹
2024-04-06 09:37:31