完成された神聖
秋葉竹
曇天の裂け目に
完成された神聖があることを
知っているひとは
僕と
あと
だれだろうか
切れ長の目を
その裂け目に向けている
あなたには
あの神聖が
みえているのだろうか
暗黒のなかに悲しみしかないと
想っていないひとだけにみえるあれは
天国と地獄と同じ構図の物語
目覚まし時計で
ようやく起きられる朝
いつかの元気そうな僕を
雑草みたいに嫌われていたみたいな僕を
それでもめげずに
性能と才能を信じていられたみたいな僕を
鼻歌まじりで羨望する
こころを守るために
曇天の裂け目に
完成された神聖がみえると
これも鼻歌まじりで云い放つ
生きているかぎり
100年の孤独の物語の
そのほんのひとときを
演じているだけみたいな
自由詩
完成された神聖
Copyright
秋葉竹
2024-04-04 19:30:01