春爛漫
六九郎
祝砲さ!涙鼻水まき散らせ!春が来たんだ!ティッシュの山さ!
春が来てしまった俺の嫌な春きみのいないつまらない春が
新学期新入職に新人と「新」と「祝」とで疎ましき春
咲き誇る桜並木をくぐり抜け登校の子ら飲み込む校舎
夢うつつ春の麻酔をかけられてリアルな冬の痛みを忘れ
蛙たち春の麻酔をかがされてうっとり顔で茹でられており
パッと散る桜の花の潔さわれは延命治療をのぞむ
願わくばICUにて春死なん蛍光灯とアラームの音
短歌
春爛漫
Copyright
六九郎
2024-04-03 11:09:52