はと
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属しているというだけの
私は一番の下っ端
心なんていりませんし
あっても疲れるだけでして

譲り受けた観葉植物は
まるで私みたいです
ちょっとでも明るいと
葉っぱの先から焦げていくので

久し振りにカラオケ
しようかなと思ったんですけど
喉が死んでいて
全然声が出ませんでした

ティッシュペーパーが無いし
マフラーは置き忘れるし
駅前のパン屋は高いし
久々にくるりを聴いています

上に立つこと考えてるなら
私はいらないと思いますよ
町田のジョルナにいた鳩みたい
近付くと猛烈に鳥臭い

このまま何処かへ消えて
今すぐ思い出にしたいけど
遠くに行った所でこの思いを
忘れることもなさそうで

役に立てましたかと笑いながら
抱き締められて死にたい
そんな仕事がしたいんです
分かるでしょうか

薔薇の花が
マフラーが
パン屋が
冬の青空が

あなたにとっての
幸せでありますように
祝福でありますように
愛情でありますように

朝の光は眩し過ぎて
見えないものばかりが増えます
その中の一つに私がいて
泡のようにぱちんと弾けるのです


自由詩 はと Copyright 303.com 2024-01-03 09:35:04
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