やみまつり
いとう


帰る場所のない人こそ一点に留まる
寂しさを解体して
目を瞑る
うつむかない
前を見ない
定まらないこれは
警鐘なのかもしれない

孤独とは
つながらないことではなく
むしろつながりの中に顕れる
かそやかに流れる電流の
一瞬の並列のようにこれは
痛みと名付けられる

さよならを知らない
別離は心の中で生まれる
だからさよならを知らない
地平の彼方で見えなくなる姿
あれは、わたしだ
わたしと呼ばれるものだ
だから知らない
知ることができない

留まる姿に似せて
ときどき嘘をついてみる
それこそが真実なのかもしれないと
肌が震えても
信じてはいけない
疑ってもいけない
そこには何もない



未詩・独白 やみまつり Copyright いとう 2005-05-16 16:47:00縦
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