カトラリーカチャトラ
ミナト 螢
ナイフとフォークで
青い空を切り取れたなら
いま雨が降っていて
悲しい目をした人に
温かい光をあげられる
側にいられない代わりに
空を贈るから
見上げて欲しい
僕のわがままで
君が幸せになるように
祈らずにはいられない
離れていても
その姿を見ていたいから
ナイフを磨いたり
フォークで髪を梳かしたり
あぁ正しい使い方なんて
誰にも習わなかったよ
君の心臓や脳内で
動き続ける愛の言葉を
いつか僕が食べに行くから
その時はきっと
ナイフもフォークもいらないね
自由詩
カトラリーカチャトラ
Copyright
ミナト 螢
2023-11-19 16:00:05