sayonara.com 41-50
AB(なかほど)
どうして
こんなにも
遠くなってしまうんだろう
息子はもう用事のなくなってしまった
園を降りかえる
その向こうにはいつもより輝く白山さん
雪が溶けるように
君のなかから消えてしまう
それは僕の意志でもなく
マイクロバスからあせた国際色が帰る場所
すべての始まりはそこにあると
信じるものたちの終わりも始まる
この電車は秋葉原には停まりません
いつの間にか
とおり過ぎた場所には停まりません
ひとしきりの声と涙の後に
煙が青空に溶けた
失敗とか過ちとかそんなことではないんだよ
いつまで経っても
あの曲がり角にたどりつけない
一人でたどりつけるはずはないのだ
朝届いた君の事を告げる手紙が消えた
いつまでも何もないという思い出だけが
残った
窓はない
最初からなかった
そう思ってごらん
今日 雪 降って 消えた
ひざを抱えて 眠る 者たちに
降って 消えた
ことばは とんと