種
ぐれこ
あまりにも
自分の呼吸が穏やかなものでしたから
なんだか
生きてるのか死んでるのかさえもわからなくなりまして
そうだ! と
パチンと手のひらを鳴らしながら
頭の裏側で埃被った宝箱をひっくり返してみたのです
そして私は
いつかの小さな花から成った 一粒の古い種を見つけました
小さな希望に心ときめかせながら土に埋めてみましたが
さて
君は 私に
その新しいお顔を見せてくれますでしょうか
自由詩
種
Copyright
ぐれこ
2023-11-12 00:35:22
縦