自称詩人が生きていた
花形新次
フィリピンの孤島で
日本の自称詩人が発見された
1945年から1985年まで続いた
自称詩人狩りが終わったことを知らずに
38年もの間逃げていたという
自称詩人が村に出没して
食料を強奪する事件が多発し
業を煮やした村人が
山狩をしたところ
森で脱糞中の自称詩人を見つけ捕獲した
捕まった自称詩人は
自称詩人狩りが38年も前に終わっていたと知り
「私は自称詩人であり続けたのだ!」
と誇らしげに話したが
村人たちは
自称詩人であり続けること自体に
何の価値があるのかさっぱり分からず
いっそのこと
このまま土中に埋めてしまおうかと
話し合っている