膣は穴じゃない
松岡宮
膣は穴じゃない
日頃、閉じている扉の向こうにあるものは
それは穴じゃない
迷いこんだ樹林の枝を入れるべき穴はない
天空に唾するとき岩の戸は閉ざされ空が落ちる
雷鳴 豪雨の闇の中
あれは穴じゃなかったと知るとき
はじめてひらくひだがある
急峻の水源から落ちる水は赤い
赤い靴履いてた女の子
とどまることを知らぬ清水は湾へと注ぎこみ異国の波打ち際で歌うジ・アース
それは穴じゃなかった
ふくらみ 動き ぬかるむ生き物の名はザ・シー
循環する心血を注がれ 終わらない瞬間を刻み続ける
リズムヶ浦の大地だったのです