VISION6〇虹の根元
ひだかたけし
意識の視界に虹がかかる
私は虹の形を手探りする
すっかり両手が七色に染まる頃、
それまで見えなかったものが
ふっと浮き出し見えて来る
この世があの世と繋がったように
あの世がこの世に在るように
見えないものが見えて来る
余りに鮮やかに浮き出し
虹の根元、虹の根元だ、
在るものノ根源だ!
『形態の発芽力、それは愛だよ』
誰かの声のヒビキ、すぐ消えて
虹の根元も消えてしまう同時に
輝き渡っていた意識の視界、
光をすっと失い眩む暗む
気付けば、
雨上がりの街角を
手繋ぎ微笑みの男女が行く
陽射しを受けた横顔はとても幸せそうだ
私は窓辺で見ている 私は窓辺に居る