絵本 (旧作)
石村
つめたい万華鏡のまばたきが
角笛吹きの感傷を揺らし
梢のうへから、いやみな天使が
それを微笑つた。
琥珀いろの木洩れ陽と
昼下がりの回想が
共謀して、道化師を泣かせた。
腹立たしくて梢をみあげれば
千の天使が微笑つてゐる。
風のない、絵本のやうな午後の事。
(一九九〇・二・十六)
自由詩
絵本 (旧作)
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石村
2023-10-01 17:05:06
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