Sex And The Poetry. Vol.0 「 対話と回想。 」
PULL.




昨日、久しぶりにトレーニングをした。

まず念入りなストレッチ。
身体をほぐし、温める。

深く息を吐いて、関節の虐待と愛撫。
180度開脚なんて事が、
自分の肉体で出来ていたのが、
夢と云うより詐欺のような記憶。

けがをして、
柔軟性に頼らない体術を見つけて、
もう15年になるが。
まだトップフォームの肉体的記憶が抜け切っていない。

命令を受信しない筋肉が、
憎く愛おしい。


大音量で、
お気に入りのCDをかける。
軽いシャドウ。

上半身と下半身の連動が悪い。
それ以前に、
意識と肉体との対話が出来ていない。

3曲目を過ぎた辺りから、
対話らしき感覚。

腰が据わり、沈む。
膝から沈み込み、螺旋に弾む!。

引き絞り、捻り。
解放し爆発させる。
筋肉の限界と悲鳴と歓喜!。

意識と肉体が、
狂気と凶器に還る。
錯覚。

蹴り砕く骨の、
硬く緩い、あの感触。
錯覚。


今一度、




12曲目で、止める。
全身汗だく、まるでシャワーを浴びた後。
呼吸が苦しい。

エビアンは、いつも微妙にしょっぱい。

クールダウンのストレッチ。
また深く息を吐いて、関節の虐待と愛撫。

意識と肉体の回想。
老いと滅びは抱きしめる。
優しく、そして残酷に。

鏡に映る。
汗まみれの男の顔。

老いて滅びて生きている。
今日も俺は、









散文(批評随筆小説等) Sex And The Poetry. Vol.0 「 対話と回想。 」 Copyright PULL. 2005-05-15 11:34:07
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