誰か
ふるる


ある日アヒルの王子様がやってきて
結婚してやってもいいけどなどと言ってきた
でも待機児童問題が、と言うと
ガアガア鳴き始めたので
彼には彼の人生をお尻プリプリ歩んでもらう

瓶ビールに栓抜きがないので聞くと
店員さんがポカンとしている
宇宙のはじっこに来てしまったみたいに
センヌキって何ですか?って
何だろうね?
地球にある物だけど知らなかったら存在しないですよね

ようこそと言われて気づいたのは
全く歓迎されてないし
認識もされてないし
識別すら
ましてや間柄など

流しの
内角の和が180度コーナーを綺麗にしていると
まるで何もかもが純粋で
穢れなく
行き届いていて
すっきりわかりやすく
悩みも苦しみも悲しみもなく
会う人みんなお友達
そんな誤魔化しパーフェクトな気持ちになってくる

誰だろう時たま
全然知らない人の名前が浮かぶけども
前世とか宇宙の電波とか別次元とかでなく
完全なる「誰か」がこの世にいるんじゃないかと

そういう誰かになれると思う
誰だろうって時々気にされながらも
一生会うことはないっていう存在
じゃあ今から、この詩を読んでいるそこの……
あなた!あなたです
あなたを、
その誰かに任命します。
だって読んでくれてうれしいから!
ありがとうございます
一生会えない私たちだけど
きっといい関係で
時々は笑顔で思い出しますし
いい事がありますようにと祈ります

お近づきのしるしに近況を述べますね
昨日
五円で買ったスーパーの
せっかくのビニール袋が破れてきて
歩いているうちにどんどん
どんどん悲しくなってきて
お城がたつくらいでした





自由詩 誰か Copyright ふるる 2023-09-22 18:40:30
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