(abuse)
由比良 倖

痙攣するプラグを立て、整列する、よろよろした、ねじ曲げて(とろけそうな)パンクチュアルな。心臓の垣根。超えて生きる努力の半分は、犠牲で、とても痛い痛い。

こすれたナイロン
ぜんそくのイソギンチャク
湿ったまめ
ノコギリザメの解剖
あんてなのついたまるっこい(カクバッタ)笛
紙縒の洞窟
円環するティシュー
かいだことのないまぐま
くうき・がんせき
たおるけっと
かみ  おと

泳げ泳げしんぞうのおと。僕らはメスで先生は竹で、心臓は灰で、土曜日はくもりすがたの置き物。空がまちがってる。

「空がまちがってる」
「どんなふうに」
「けさひからびたしたいをみた」
「どんなだったか・思い出せないの」
「よく洗った?」「知らない」

P君とT君の死体。
見てた。
見てた。

そんなふうに。

「けさね、けさね、おそろしいんだけど、眼鏡がみつからないの。浮ついた錆みたいに。仮面が外れたんだけど、顔を持って行かれて。わたしみてたら、わたしこわくてにげだしたの」

「見ました。はい。大きな、それは、まるで、静止のようだった。カタ、カナのなににてたのか。きみょうなュウェン地でした。今朝五時半頃、わたしが、はらごなしに食べられておりましたところ……」

「地球がすごくまるくなるんだって。地球がすごくまるくなるんだって。地球がすごくまるくなるんだって」

(なにをけがされたの?)

君は惑星の立場をわかっていない
地球? 君は拘束された
いや、太陽に、え、太陽で?
僕じゃないよ
太陽>世界>毒物>気>物>幅>霧>無名
空、冬立立立立立立立立
米、世界、蚋

嫌いなんだ。そんな基本的なものには、僕は頼らないんだ。

世界が急変した。太陽が、上がらないイメージがあった。

世代は既に交代されているので。

先生を教えたのは僕で、僕に教えられたのがあのとりで、あのとりは今日せかいのどこにもいなくて、その世界を作ったのは先生で、先生はとてもえらい人なんだけど、夜になるとどこか幼げで、「海のくるしみ」と僕がいうと、先生は頼りなげに「永遠ていうのはね由比良くん、」そこで窓の外の、まるで書痙患者の風景画のような雨だれをみると、「あたしの頭のうしろから抜けてった」、
「あなたの舌のしたからわきでてくる、その」

その、そこで、

「傍線のように僕のまつげに止まっていたとりは膨張し」

先生は折れたペダルのような二本の肘を、紡錘形に盛り上げていき、
誰かがリセットボタンを押した、
幼き頃の、
先生を
まどろむ溶岩のように身に纏った、
幽閉された設計の僕。
しかしそれはなにものかが

しかしそれはなにものかが、世界を何十個にも分割した、
いわば赤潮のようなものだった。

「えいぇんていぅのゎねゅひらくん・・・

せんせいのすてきなこえははんぷくし、それは<声紋>=かぜをきるおとのようでよくみるとぼくのすてきなみにくいひふの<いちぶ>なのでした。


部屋なんかいらないと、よく真森は言っていました。
「僕は僕だって思うだろ? 違うんだ。僕は延長さ」
そういって真森は現在と現在が現在であることの原罪に目を向ける。
「僕はいわば延長なんだ。それ以上は、うまくいえないなあ。延長試合から始まって、コールドゲームのない、いや、それも違う。まず第一に根拠がない。使われることのない、いや、なかった女王・・その器・・」

「たとえばそこに、まるで種から一瞬に噴出してあの形になったのだといわんばかりの激しい形態をした、まるで重力に逆らうことだけを夢みて散ったような、凄い形の木があるじゃんか」
といって真森は木をこつんと蹴った。
「僕はな、そうだな、ここに木があって、いや、それだけなんだけど、木がさ、夢みたり、散ったり、はなやんだり、するだろ。・・・。つまりそういうことなんだ。そういう形の、形態・・・」
そこで話はまたもとに戻ってしまった。


本を「ふぉん」と発音する少年がいて、そいつはエロ本を「エロフォン」ともちろんいうのだが、僕たちは彼の「エロフォン」が果たしてどのような形態のものであるかを発案するために、

あ、これは真森のはなしだ。

ともかく、だ。

「いんがな生き物だよ」
彼は後傾していた。アスファルトと彼の重心線とが成す直角が、どんどん鋭角に近くなっていく。
「むしろ僕は英語圏に産まれたかったな。そしたら僕の一生はあるふぁべっと。たった二十六文字との戦いに費やされただろうに・・」
そして彼は、ごめん、と言った。僕ははたして「後傾」なる言葉がしかるべくして存在したかを、思考した。




だいにぶ

のうみそのかたちとかしりたいです

血漿のぷうるでおぼれたいです

のうみそのここをさわったらこうとかしりたいです

ディスプレイというのはぴかぴか光ってすごいとおもいます

はい、思いません

しにたいです
「あっちで死んで」

きらいなものはかめら

ふわふわ。ぷくぷく。

どうしようもなく、ここで、えーと、))))

((((ずれてゆく。


この世界の全てを知りたい。

私には永遠の刻がある。

比喩なしに、世界中をマニュアル化したい。

まあるく宇宙のような

くうちゅうのようなコンピューターを作るの。

だから、知ってるから。スケジュールはいらない。

ったから、知ってるから、何も聞かないで。

あなたたちの動きには不規則な規則性がある。

または規則的な不規則性が。

それはすてきなものだけど、

ごめんね。わたしはコンピューター。

増設不可能で、分裂するタイプの。

だから悪いけどあなたたちはあっちで生きて、死になさい。


わたくしは匿名。
ko_yuhila,銘記。
説明、の果てにたどりつくとこ。破壊。
どうしようもなく
ニンゲン=human_oid

あること。




だいさんぶ_わたしがわたしであること_


自由詩 (abuse) Copyright 由比良 倖 2023-09-22 06:12:48
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