友人と飲んだ帰り道で
番田 

夜は何も
存在はしないのだが
景色としてある
夢を見ている
ベンチの上に腰を下ろして
僕は取り出したスマホを見ていた
光が 表現するものを影に
文字が 与える 情報を
暗がりで 今日も文字に そこに
表現された液晶の色として追っていた
そして僕であることを
そこで思うのだ
時々音楽として鳴らして
思うべきことを
詩に書いている
タイのドミトリーで一人
仏教のもたらす教えをそこで
僕は感じた
バナナの味に そして
ミネラルウォーターは 無料だった
もともと値段のないような でも
商品だ
ドアを開けると
車やバイクの流れる川のような景色
僕は翌日は空港でメシを食べて
南部でのアイランドホッピングに出かけた
パイン畑が バスの前を流れた
どこまでも続いていた原野
そして 眠気の 写真に
今でも思い出される
僕は景色を走っている


自由詩 友人と飲んだ帰り道で Copyright 番田  2023-09-22 01:03:41
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