銀薔薇

優勝したレーサーが
表彰台に立ち
彼は語った
風と一つになった


彼は事故で
この世を去ったが
その言葉とともに
伝説のレーサーとなった

わたしは今
目を閉じ
風の音を聞き
風を受けている
足の爪先から
髪の毛先まで
意識を集中する

風音がまた一段上る

時計の針の
カチカチ音が
わたしを焦らせる

針が
百二十度
傾いた頃

最速の風

わたしは
風と一つになった

そして
やっと
気付いた


扇風機じゃもうあかん


明日クーラー買いに行こ



自由詩Copyright 銀薔薇 2023-07-20 13:00:11
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