spring and fall
ミナト 螢

天井が透けないまま
朝が来るのだとしたら
それは夢を見ていないからだ

こうしたい
あぁなりたい

頭から漏れる息は
軽いのに
最後まで昇り切れずに
目玉焼きの白身になったりする

夜のうちに
旅へ出よう

赤らめた頬を包む
暗闇の中で
柔らかい答えを
探してみたい

ベッドに沈む体と
希望に近づく心が
鼓動を頼りに
歩き始める

目を閉じたら
消えそうな四畳半
そんな刹那が
星を尖らせる


自由詩 spring and fall Copyright ミナト 螢 2023-07-19 18:49:41
notebook Home