千歳の光
野澤 尚也

この日は
水の中
何もないことを
愛していると
言いたくても
息は吐けず

氷のように笑った
骨だけになるまで胸中を支えた
輝きを放つ
わたしの目玉

川縁で白く
太陽を受けて腐った
何もないことが死なないことだと
遅まきに誰か言う
風景の一部となって死ぬ


自由詩 千歳の光 Copyright 野澤 尚也 2023-07-09 23:38:44
notebook Home 戻る