紫の花
ひだかたけし

いつもの街道沿い脇に
群れ開いていた紫の花、
今朝一斉に萎み縮んで
この移り変わる命の顕
改めて感じ入る私に
どろんと地平に上がる月、
その赤々とした巨大な異様
纏わり沸き上がる感情襲い

  *

僅かに開いた扉の隙間に
開ける闇の漆黒
その饒舌な沈黙、
むしろ白く白々と
接続すべき何かを待つ相

今朝一斉に萎み縮んで
死に絶えた紫の花 想い
私は今宵に鎮まり身一点と成り

僅か開いた扉の隙間の闇 窺い

白く白々と、 

白く白々と無常貫くものを 観る





自由詩 紫の花 Copyright ひだかたけし 2023-07-09 19:00:32
notebook Home 戻る