アースランテとの駆け引き(十二)
朧月夜
「グーリガン・ハルガンテは、この度のファシブルとの
戦争に参加しなかったことにより、五年間の幽閉を命じる。
イリアス・ガ・ラ・ハルデンも、その頃には目が覚めていることだろう。
彼女は、グーリガンを罪人として打ち捨てるのだ」
そんなことを言うハッジズ・ア・ラ・ガランデは、
未来を見通せるかのような声音で言った。もしかすると、
デーモンであるラーディガンが、力を貸与していたのかもしれない。
「それは、あんまりでございます……」
フランキスは、男女の仲の機微というものを心得ていた。
幼いイリアスが、そう簡単に心を翻すとは思えない。
祭祀クーラスの予言のほうが、胸に突き刺さるのだった。
「怖じ気づいたか? クールラントの使者よ。ラゴスを倒せば、
次は汝が国へと、我が国の剣と弓とは向かうであろう。
その時、奴隷も捕虜も、その口にするところは至って無意味なのだ」
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クールラントの詩