アースランテとの駆け引き(七)
朧月夜
「あなたは一体……ラーディガンとどんな盟約を交わしたのですか?」
フランキスはその顔をこわばらせながらハッジズに尋ねた。
「ラーディガンと? それは些細なことだ。この世の人間の、
半数を葬る。そして、地上をデーモンが支配する」
「あなたは、それを平和だと思っているのですか?」
「思っている。人間は増え過ぎた。それだからこそ、
言語崩壊も起こったのだ。第二の言語崩壊を起こしてはならない」
「それは、救世主のような願望ですね」と、フランキス。
ハッジズは声高に笑った。そこに、軽蔑の調子は含まれていなかった。
しかし、クールラントは恐れるに足らず、という確信は見て取れた。
「イリアスをどうした? ここへ連れてきたのか?
何なら、余がイリアスを切って捨てても良い。アースランテは強いぞ?
クールラントごときに好きなことはさせない。お前にもだ」
フランキスは息を飲んだ。これは、祭祀クーラス様が思っていたのとは違う。
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クールラントの詩