アースランテとの駆け引き(六)
朧月夜
ハッジズのこの提案は、ラゴスと争うにあたっては願ってもないものだった。
しかし、ハッジズの野望はそこにはない。いずれは、
ライランテ大陸のすべてをアースランテの手中に治めるつもりだった。
だから、彼はこう答えた。
「イリアスの身柄、どうとでもするが良い。汝らに、
我が行く道は防ぐことはできぬ。他国の援助など願ってはおらぬ」
「では、ヤーコンの動向はどうなのですか? ヤーコンでは今、
アースランテと協力しようと軍団を募っているところです」
「そうだな。いずれ、漁夫の利を得たいと思っている輩ばかりであろう。
アースランテは、このライランテ大陸を統べる。そこに、平和が訪れるのだ。
争いのない世界。この世の楽園だ」
「楽園ですって? 気でも狂ったのですか? この世に楽園などない……」
「果たしてそうかな。アースランテは、ライランテを平定した後、
すべての魔法を封印する。魔導士のいない世界を作り出すのだ」
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クールラントの詩