アースランテとの駆け引き(一)
朧月夜
かくして、アースランテ軍の剣先はすべてラゴスへと向けられることになった。
この二年の間に復興を遂げたアースランテを、
アウゼル・ローガンテも侮ってはいなかった。
アースランテは民兵の質も高い。
正直、ラゴスの正規軍がいくら集まったとは言え、
復讐に燃える国家の進撃を止めることは容易ではないように思えた。
アウゼルは、ラゴスの軍務大臣シュランク・エルベの意見を求める。
「この度の戦、汝はどのように進めようとしているか?」
「この度の戦いは長期戦になりましょう。
ライランテ大陸の東、ヤーコンの国家群の動向も気にかかります。
ついては、一刻も早くドラゴンたちを味方につけることです」
「余も、それは考えていた。しかし、この国には魔導士が少ない。
クールラント、あるいはヒスフェル聖国の援軍を頼むか?」
「いえ。我が軍だけで事に当たるのです。それ以外の道はありません」
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クールラントの詩