第I部・第II篇のタイトルについて、『図説・新約聖書の歴史と文化』(新教出版社、M・ジョーンズ編、左近義慈監修、佐々木敏郎・松本冨士男訳)の解説を引用しておく。「ヴィア・ドロロサ(すなわち<悲しみの道>)は旧市街(すなわち中世の都市)を通る道につけられた名で、イエスが<総督の官邸>から<ゴルゴタという所>(マルコ15・16、22)へ十字架を背負って歩まれた道を示し、敬虔な巡礼者たちによって使われる道である。13世紀の修道僧が最初に巡礼者としてこの旅をしたのが、おそらく事の起こりであろう。この道を現代の巡礼者たちは金曜日毎に、<十字架の道行きの留>(The stations of the cross)の各所で、祈祷と瞑想のために立ち止まりながら通過する。」。