袤/染る
あらい
宵闇も境目もやはり子猫のいじらしさとおもえば
(逃げているのではなかろか)
(束ねているので ありませ)
明日はたわわと実りいた
きみは仄かに唄いいた
沈着すべき河童の木乃伊
籐トウに八千代に筆架化鏤ヒツカカル
珍談ばかりを、一夏の調子にがいて
孕んでは、くすり 喰らっては
溢れたも
煽れた者、
壊れたも
空の化粧も脱落す
萌えも栄えも這え昂る
これら偏ヒトエにこぼゑひた
叢に群雲に闇子守 (くさむらにむらくもにやみこもり
暮鳥詩 無音紙に (くれちょうし むおんしに
あのひぐらし (あの日暮し
ここら中りは禿げの山境 もなく静寂うわのそら
範
小蝿一匹なら、溺死することはあるまいが
匕首アイクチを検シラめて
いざやその刹那を垂涎と射つのが
過ぎた昔のヴィデヲを 斯コレき切り
までに もぞんだだけの、ぷつりとした 眼球の腐臭