かぐや
soft_machine

その人は 軀がうすく
流れをまとい あたたかくして

偶然まとまった
誠実な想いや 花のかおりなど
求めなかった
誰にもひらかない
固くひき結んだ 白い口を
譲らなかった

 遠ざかる筏をそっと

 撫ぜる指 思い返す日々

並べられた 金襴緞子
重ねられる くさぐさの草紙
月を集めた
果実になれば こんなにも淡く
蛍をしまった 灯火
時に
星の人は
実体から 失いたくなるんだと
寄辺を走りさる

 人は見ない

 鼻筋にただよう かぐや

人も
あなたの爪とか指しか
今も知らない





自由詩 かぐや Copyright soft_machine 2023-05-27 14:24:15
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