ねーもし美容院がプールだったらどーする？（水着きて行くね）じゃーもしはーちゃんのほっぺがなくなっちゃったら？（ほっぺ早く生えてくるようにごはんたくさん作らなきゃだね）もし女の人同士が結婚したかったらどうするの？ぬいぐるみと結婚したかったら？（できるよ。いくつかの困難に対処する必要があると思うけど）じゃあもしも、もしも…と続くむすめの問い、ときどき億劫になりながら、返答していく。
ねーじゃあはーちゃんがはーちゃんじゃなかったら？（うーん）
じゃあもしママがママじゃなかったら？
でも、もともとわたしはママではなかったのだ。ということにはっと気づく。
さらさらした問いが、投げかけられる一瞬のうちに粘りを増して、わたしに貼り付いてもうしばらく流れない。
ままじゃなかったときも、あったけどね。と言うと、むすめは、
でもはーちゃんにはずっとままだよね〜
と笑っている。

失われるから光ってみえるのか、光っているから失われていくのか、わからないまま、この時間が光ってみえている。