雑踏にて
久遠恭子

時を隔てて人は変わる
人が変わると街が変わる
街が変わると想いは募る

変わるのは人の心なのかそれとも街なのか
思い出は深く胸に刻まれ
けれども風景は変わっていく

思い出してごらん
子供の頃を
遊び疲れて眠る布団の気持ち良さを

ブランコを漕ぐ
滑り台を滑る
ただそれだけで楽しかった日々を

街は変わってしまった
人は歳を重ねて
何思う

記憶があるのは素敵なこと
けれど記憶に苦しめられる時もある

大人になるとはそういうこと





私は頭を空っぽにしたいと思う時がある
君もかい?





夜桜を見れど過去とは違う花
人の心は思い出なぞる


自由詩 雑踏にて Copyright 久遠恭子 2023-05-15 23:42:47
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