繊月(せんげつ)
室町

ふくよかな瞼の女が目を伏せると
まつ毛が繊月をつくる

人は信号待ちの束の間 空を見て
雲になることができるし
風になることもできる

しかし

(あの自称詩人の男が)女装して
街を歩いたとしても
繊月は模倣できない

あの男はなぜ女装するのだろう
ポリティカルコレクトネスを蛮刀のように
ふりまわしている無名大学出の公務員

どこに繊月がやさしく孤を描いているのか
ほんとうの女装とは口紅を塗ることでもないし
スカートを履くことでもない

ポリティカルコレクト好きの自称詩批評家
の女もいる
自信がないからフロイトだのラカンだの
を出してわめきちらすあの女も
ポリコレ好きのあの男同様

性同一性障がいなのかもしれない




自由詩 繊月(せんげつ) Copyright 室町 2023-05-10 07:19:41
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