何故、どうして
soft_machine

いつか壁は
壁でなくなってしまえる

いつか
柔らかなひびが
全て覆いつくし
手ざわりをなくしてしまえる

あなたという冗句が
絖りの奥で枯れると
限られた視界は
縫目のない夜服に包まれ

いつか鼓動も
いつか自白も
何の意味もなさなくなり
ここが何処かも知れない
穢れ切った純白とする
剥きだしの背景と白亜
こちらへ崩れかかるにまかせ

何故
静止画で
立てた膝をひき寄せたのだろう
あまりに静かで冷たい
潮騒に耳を打たれ
湿る感触に浚われ
どうして
たったふたつの階調
それなのに美しいのは





自由詩 何故、どうして Copyright soft_machine 2023-05-08 21:29:20
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