軽くなったもの
短角牛

田舎に住んでたから

私たち お互いに車を持ってた

お互いに お互いの車のキーを持ってた


あなたが去る日 キーを返したの

ホルダーの重さが半分になった


去ることはわかっていたのに

この重さが半分になることはわかっていなかった

そして軽くなったのに なんだか重く感じるね


初夏の風ただよう うららかな陽気に

きっとそれは 

あの頃より少しだけ世界に優しくなるための

感情の溢れ方






自由詩 軽くなったもの Copyright 短角牛 2023-05-02 18:13:52
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