烈開2
ひだかたけし
ああ、みえる
銀線だ、
無数の半透明
見える 視える
降りしきる雨、
ああ みえる
*
鎮まりゆく現に
心落ち着き
時流に己
委ね預ける時、
線形時間の
進行の裂け目が
垂直に開く
くわっと
なにものも
熱熱熱、
流れ溢れ
打ち鳴らされる響きに
遥か彼方の押し寄せ
地平の境はいつか無くなり
顕れる沈黙、時無き持続
髪掻き上げ顔を擦り
瞑目する、闇に座し
わたしはいない、
ただ意識集中し
舞台から全て消去し
無の内に立ち現れる
異界を見定める
ああ、みえる
力線、無限の色彩
視える、観える
降りしきる力、
ああ みえる
*
モノの実在にヒビキ聴き
流出スル熱、魂貫く
知覚の鋭利、意識の開け
委ねる瞬間、到来し
この界、静かさに 烈開する