窓枠のとれかかった朝/帰結する額縁
ちぇりこ。
1
目覚めた時に
あるはずの枕元が
きみの鎖骨の中で
蒸発していた
(そういえば
(春をしまい忘れてたんだっけ
2
全ての
歩行者信号が
赤になっている
雨の季節の始まり
交差点では
水クラゲの団体が
右折出来ずに
渋滞を引き起こしている
(雨
(雨です
3
夜明けとともに
絶命したピアノ
連弾の指は
止まらないまま
(あんなに空を
(信用しているなんて
4
生きてるって、へんな死にかただね
そう言っていた きみは
夕暮れのような
瞳の奥で
(まだ
(生まれてもいないのにね