幾星霜
秋葉竹






たい焼きを尻尾から食べて
おわかれの儀式にした春

なにもなかったけど
なんでもありえたと
知ってるから
じぶんの弱さが嫌になる

桜咲く川べり
人はどうしてこんなに優しいのだろう?
許せない悲しみの
ために告げたい

なにかの権利も
主張せずに、ね


予言なんてわからないけれど
運命はすこしだけ、
残酷だったりするんだろ?


何度繰り返しても
何度繰り返しても
おわかれは

こらえきれない光と闇を
三日月の鋭いところで刺すように
突きつけてくれるんだもんね


それを怖いと想い
震えてしまう気持ちもあり
それを救いと想い
求めつづけてしまう希いもあり
その寂しさが

せめて
まるでこのうたを
「嘘のうた」に
してしまいたくなる

悲しみもある


そんな、馬鹿なッ!
って、云っていい?

ねぇ、
ほんとうのこと、云ってもいい?

ねぇ、
嘘みたいだけど、でも、云うけど。


あたしって、

また、明るくなりたくなってきたッ!










自由詩 幾星霜 Copyright 秋葉竹 2023-03-18 01:41:05
notebook Home 戻る  過去 未来