月曜日
リリー


 今朝
 東の空に羊雲がびっしりと
 ヒツジたち
 みんな揃ってどこへ行くのか

 出勤すると社員証を提示する守衛室前に
 片足を付け根から轢かれた状態で居る
 路上の 蛙
 目を見開くままな
 死顔が目蓋に焼き付いて離れない

 すぐ近くの貯水地で
 水草が刈られて清掃されたから
 出て来てしまったのだろう

 週の初めの今夜はきっと
 夜更けの貯水地で
 蛙の 遺体無きままなお通夜があるに
 ちがいない

 うす汚れたカエルだからではない
 不意の月曜の夜は
 わたしだって分からない

 地上に生きるもの すべてが
 今朝
 東の空に見た白い群像ではないのだから
 


自由詩 月曜日 Copyright リリー 2023-03-14 08:55:22縦
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