花芽のうた
ひだかたけし

朝に桜並木を通るたび
垂れ下がる何本かの枝に
無数育つ花芽を観る

今朝に花芽はもう目一杯、
膨らみ茶黄色に揺れながら
花開くその時に備えている

沈黙のうちに生成し
盛り上がる命の渦に
無数無数のそれら佇む

見えるものの様相に
見えないものの響き
辺り一帯に放ちながら

花芽、

今にも時 裂かんばかり
しずかゆったり揺れながら


自由詩 花芽のうた Copyright ひだかたけし 2023-03-12 11:25:48
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