月影
秋葉竹




寂しい色の
ベニを塗り

できることなら
心臓を

休めてあげたい
満月が

狂ったみたいに
きいろくて

月に心があるのなら
きっと孤りで泣いている

なにをなんまい削ぎ落とす
痛みに耐えたら寂しさを

無かったことに
できるのか

嬉しい色の
ベニを塗り

欲しいものだけ
手にしたい

欲しい星さえ
ない月が

手持ち無沙汰で
口笛を

吹いているよな真似をして
くちびる尖らしつづけてる

歌ってしまうその訳を
知っているなら尚更に

絶対ひとに
云えないさ









自由詩 月影 Copyright 秋葉竹 2023-03-07 03:31:23
notebook Home 戻る  過去 未来