眩惑
あらい
カシミヤの沈丁花の案で 編まれたような樹形図の
シルクを浴びて化粧する梔子のいうことが耳に残っています
それでは、金木犀が流れる川の畔で囀る愛玩鳥のコトバを
旧道を転げていく
上機嫌だと貪るは
無双の産物の
、このことよ
夜は背景をずらして事の起こりを列べたまなこの、
トルソーにあったこの烙印を 粗削りにも刺青にしてはと
死人に見やる ほしのひとつと金平糖を噛み砕き
酸いも甘いも身に有りて 朽縄ばかりの黄泉の余と
潜り抜いたが意図と玻璃 右へ往ったり左へ逝ったり
心の像から口先までを
束ねるばかりの神の糸
濡れ場の羽と結してな
弛めたカラダが屈するように、歪んだ波が弓形へと
紐解く欠片赫くばかりの 風も無く鳴く、声もなく
名を呼ぼうにも誰彼も 流され染まりゆくままの
気の向くまにまに 縫い併せた
/かのような/
みちのりばかりを危惧しては
はだかの花では漂えぬ、ただただ纏わりついた馨りがくすぐるだけで
正しき方へ、導かれると、そうであろうとつよく願い歩みを進める
畜生の足跡を、ただ粛々と。ラビリンスに感染るヒトビトはそう
織り込まれて仕舞い狂うもの