眩惑
あらい

カシミヤの沈丁花の案で 編まれたような樹形図の
シルクを浴びて化粧する梔子のいうことが耳に残っています
それでは、金木犀が流れる川のほとりで囀る愛玩鳥のコトバを

旧道を転げていく
上機嫌だと貪るは
無双の産物の
、このことよ

は背景をずらして事の起こりを列べたまなこの、
トルソーにあったこの烙印を 粗削りにも刺青にしてはと
死人に見やる ほしのひとつと金平糖を噛み砕き 
酸いも甘いも身に有りて 朽縄クチナワばかりの黄泉の
潜り抜いたが意図と玻璃 右へ往ったり左へ逝ったり 

心の像から口先までを
束ねるばかりの神の糸
濡れ場の羽とけっしてな

たわめたカラダが屈するように、歪んだ波が弓形ゆみなりへと
紐解く欠片かがやくばかりの 風も無く鳴く、声もなく 
名を呼ぼうにも誰彼も 流され染まりゆくままの

気の向くまにまに 縫い併せた
/かのような/
みちのり道徳ばかりを危惧しては

はだかの花では漂えぬ、ただただ纏わりついた馨りがくすぐるだけで
正しき方へ、導かれると、そうであろうとつよく願い歩みを進める
畜生の足跡を、ただ粛々と。ラビリンスに感染るヒトビトはそう

織り込まれて仕舞い狂うもの


自由詩 眩惑 Copyright あらい 2023-03-01 16:54:54
notebook Home 戻る