堕天(愛のうた)
秋葉竹


神にムカついた

なぜ、彼女が、不幸になるのを
止めて、
くれない?

神に毒づいた

それは正しいことでは無い、
なにがなんでも、間違っている

いや、
じつは知っていて、

億人が
納得できる正義もないし、
納得できる政治もないでしょう

それは、わかっていて、
でも、
でも、そんななかでも、
絶対に助けてあげなくてはいけない

彼女が、いたり、するでしょう?

ワカレヨ
神なら。

持っているものは
神さまにお布施をできるから
持っている以上に
助けるのか?

持たない彼女は、
捧げられるものがないから
助けられないのか?

ムカついた!


そのムカついた天使の名は
ルシフェル、
という


だから、神に叛いた。

彼女のためにだけ。


大悪魔
悪魔王の蔑称を恥とも想わず

神に
叛いたんだ。

だって
あの生きざまをした彼女が
あれだけ美しいこころを
失わずに生きつづけて

彼女が不幸になるのを知りながら
そのまま見過ごすなんて
天使のすることじゃ
無いじゃないか!

それだけの理由で
大天使ルシフェルは
神さまに
叛いたんだ

絶対の正義も
絶対の悪も
無い
って信じた彼の目には
彼女が
助けるべき人だと想えたんだ



いいか、
わかっているのかよぉ、
あたしの助けた彼女はよぉ、
べっつにあたしの手を借りなくても
だれかが優しくしてやれば
それですんでただけなんだ

いいか、
わかっているのかよぉ、
あたしは悪魔になってもよぉ、
こころ傷つく彼女たちには
悪魔の愛でフォローをするよ

けどよ、
てめーら、にんげんよ!




まぁ、いまさら
いいけどな。

ちゃんと、ちゃんと、
考えて
できることならもう二度と

悲しい彼女を、つくるなよ?












自由詩 堕天(愛のうた) Copyright 秋葉竹 2023-02-23 18:10:35
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