祭祀クーラスとエインスベル(十一)
朧月夜

リグナロスは、カラスガラの中央広場に転移させられていた。
突然現れた人影に、通行人たちも驚きの表情をする。
数分遅れて、エインスベルも彼の元へとやって来た。
「無事でしたか、エインスベル様……」

「当然だ。これくらいのことで死んでいては、戦争など出来るはずもない」
「貴女はそれを止めようとしているのでは?」
「戦争はすでに起きている。内戦も。今一番大事なのは、
 いかに早く争いを終結させるかということだ」

エインスベルは続ける。「今回、祭祀クーラスが長年為政者の地位についている、
 その理由が分かった。彼は、魔法の道具でがんじがらめになっているのだ。
 おそらく、彼は誰も信用していないのだろう」と、エインスベル。

「それでは、祭祀クーラスの足元を切り崩す方法もありますでしょうか?」
「戦士エイソスに……頼もうと思っている。まずは、オーバ・ニーチェを解体すること。
 それから、祭祀クーラスの罪状を明らかにして、裁判にかけること」


自由詩 祭祀クーラスとエインスベル(十一) Copyright 朧月夜 2023-02-12 18:37:17
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クールラントの詩