太陽
秋葉竹




夜は
好きという、
人は
嫌いだな。

いつも同じ。

夜は、
太陽が
無いじゃないか?

みあげると
たとえば真っ白な清潔ぶった
満月なんか
あってもね、
いつも同じ、さ。

夜は、
太陽が無いじゃないか!

満天の星たちとか
清らな立ち居振る舞いで
お淑やかに瞬いてるけど、

そこに、
太陽が、
無いじゃないか!



とある悲しみに濡れている
とある街で、

とある
一人っきりの
少女に出会った、よ?

その少女は
嫌なことだらけの
世界を避けるように
ひとりっきりで
小さな公園で
ブランコを
こいでいた、よ?

ふと目を奪われた僕の視線に
それでもすがるように
視線を絡ませ
ブランコを飛び降り
私の横まで
走ってきた、よ?

そして、
私の手を取って
いっしょに遊んで、と
云ったんだ

それはダメだから、
その手をゆっくりはなして
私はそのままおざなりな
『バイバイ』云って
軽く手を振って
別れたけど、

ただ寂しさに震えた
『ひと』に甘えたいだけのその少女に
ほんとうは
笑ってほしかったのも
ほんとうで。



夜は
好きという、
人は
嫌いだな。


ひとりきり、


の、
寂しさを
わかってるのかな?
とか、
疑ってしまうもの。

暖かさって、
なにと想う?

その暖かさを
求めて、
寂しい少女が走り寄ってくる

それを
知った私は

いつだって
ほんとうのやさしさだけを
求めた

『世界を好いている』
てほどの、
おおげさな、

けど、
静かな
『好き』


孤独って、

暗闇、だよね?



夜は
好きという、
人は
嫌いかな?


なぜって?

なんの疚しさもない、
孤独な少女を救えるやさしさは
きっと
真っ正直に
真っ正面から救いあげる
太陽みたいな
やさしさしかないと
想うから。














自由詩 太陽 Copyright 秋葉竹 2023-02-04 21:50:10
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