秋葉竹



夜は
好きだな

生まれ育った田舎町の
みあげると
こぼれ落ちそうに瞬いている
満天の星たちの
清らな想い出とか

とある大きな街の
猥雑で
酔っ払いでいっぱいの
たむろする
それでもみあげれば
それらを許して星たちは
笑ってくれていた夜景とか

夜は
好きだな

寒い部屋で眠るときは
布団にくるまって
その暖かさに
夢の中まで連れて行ってもらえる
感じ
とか

真夜中
なぜか目覚めてしまったときの
遠くのほうまでなんの物音もしない
神秘的なといえるほどの
静寂
そしてけれど
それをサーッと破る瞬間のある
長距離トラックの走り去る音

(ま、《長距離トラック》というのは
私のただの想い込みなんだけど、ね?)

夜は
好きだな

そしてまた
あしたにそなえて
眠りにつくんだ

夢の中へ
連れて行ってもらうんだ
暖かい布団に

そして
連れて行ってもらうんだ
新しい朝に















自由詩Copyright 秋葉竹 2023-02-04 21:48:54
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