トレンチコートの詩
ミナト 螢

白いコートに
光が入り込む

旅人みたいに
春を感じながら

このくらい
薄い生地なら
心も透けるのか

隠し切れない想いを
ポケットから
取り出して

南風に
触れてしまう

季節は優しくなった
動物は忙しく鳴いた

トレンチコートの
紐だけが
いつも余って
何かを結びたい


自由詩 トレンチコートの詩 Copyright ミナト 螢 2023-02-04 11:12:53
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