立夏直前
小池房枝
山の端にさそり座一つずつ昇る
釣り針の尻尾が銀河を吊り上げる
文字盤を重ねて二つの柄杓時計
麦と真珠 腕をそらせて指ししめす
冠をひとに贈りたがったひと
冠をひとに贈りたかったひと
東天の彼方にジャンプするイルカ
ゆうゆうと白鳥わたす夏の宇宙
「星巡り」琴座は小さなオルゴール
アルタイル鷲座の形はわからない
金色の木星を抱くヴィルゴ、ポリマ
散在の流星の季節開幕です
俳句
立夏直前
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小池房枝
2005-05-08 22:27:49