デパート
yatuka
休日の子供が
鳥の群れのように
冬の午後の光を切っている
大人はいつか風だったように
涙を溜めて
ベンチに座りながら雲を眺めている
人だったことを忘れて
人ではなくなろうとしながら
人のように歩く人達
店長の神より真剣に
「お買い上げになった天使は
用途を確かめてからのご利用を!」
子供もいつか
誰も飛べないことや
空に手が届かないことを思って
この星に佇み
物思いに沈み
やおらに瞬き
やわらかい足を砂で汚して
共に生きることを
愛する人と約束して大人になる
「この世界は
お客様の為のデパートです
これからも明るく楽しく改装していきます」
手を繋いで帰る
大人と子供に
神と天使が囁きながら飛んでいく