ハッジズの野望(六)
朧月夜

ラーディガンは、数多のドラゴンを召喚した。
アースランテ軍の形勢逆転である。
ファシブル軍の兵士たちは、ドラゴンの炎によって焼かれてゆく。
その時、ハッジズは自軍の勝利を確信していた。

(このアースランテから、ファシブルの民を一掃する。
 そして、それはラゴスとクールラントの民にも及ぶ。
 その時、我はアースランテの国土を我が民のために取り戻すのだ)
ハッジズは、己が勝利を信じてほくそ笑んだ。

「クレールよ、我が軍勢の勝利は目前にある。
 今こそ、ファシブルの軍を駆逐せよ。勝利は我が手にあるのだ」
「はっ。父上、我が望みは貴方とともに。必ずは勝利を呼び込んでみせます」

アースランテの軍勢が、ファシブル軍に対して雪崩れ込む。
そこには、兵力の差などいかほどもないようであった。ファシブルの軍勢は、
ドラゴンの炎によって焼き尽くされていたのである。勝敗は決しようとしていた。


自由詩 ハッジズの野望(六) Copyright 朧月夜 2023-01-04 22:21:41
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クールラントの詩